英語のスピーキングテストでVERSANTってたまに聞くけど、どんな試験なの?
VERSANTって資格として役に立つものなのかな?興味はあるけどどんなテストかよくわかってないから、概要や試験のしくみを知りたいな。
英語のスピーキング能力をスマホアプリ一つで簡単に測定できるテストとして、近年注目を集めているVERSANT。
ただ、VERSANTというテストが認知されてきたのはここ数年なので、いまだにその特徴や試験内容についてイメージがわいていない方も多いのではないでしょうか。
僕自身も2021年になってはじめてVERSANTを受験したんですが、受験前はスピーキング力が測れるってことくらいしかわかってませんでした。
この記事では、VERSANTに興味があるけど実際どんなテストなの?という方向けに、VERSANTの特徴とテスト内容について詳しくご紹介します。
この記事を読んでわかること
- VERSANTのしくみと特徴
- VERSANTのテスト内容と採点のしくみ
- VERSANTの受験料金と受験方法
- VERSANTを受けるメリット【キャリアにも役立つのか】
記事後半では、VERSANTを受けるとどんなメリットがあるのか、就活などでもアピールできる資格なのかについて解説しています。
この記事を読むことでVERSANTの全体像を把握することができ、自分にとって試してみたいテストかどうかが分かると思います。ぜひ最後までチェックしてみてください。
✓ この記事を書いている人
Twitter:@takuto95n
目次
VERSANTとは
引用:Versant.jp
VERSANTとは?
VERSANTは、ビジネスシーンでも使える実践的な英会話力を測定できるテストのことを言います。
イギリスのPearson社というところで開発されたテストで、日本では日本経済新聞社が提供しています。
VERSANTのテストでは、「発音」「流暢さ」「語彙」「文章構成」の4つの観点でスピーキング力を測定することができます。
三井住友銀行やDAIKINといった大手企業や、アメリカなど各国の政府機関でも活用されているとあって、世界的にも認知度が高いテストです。
VERSANTテストの種類
VERSANTでは「発音」など4つの観点でスピーキング力が測れると言いましたが、実はVERSANTには3種類のテストがあります。
- スピーキングテスト
- ライティングテスト
- プレイスメントテスト
※プレイスメントテスト:スピーキング・リスニング・リーディング・ライティングの4技能を総合的に測定できるテスト
ポイント
「みなさんがよく聞くVERSANT=VERSANTスピーキングテスト」のことだと思ってOKです。それくらいVERSANTはスピーキングのテストとしての認知度が高いです。
ということで、この記事では”VERSANT”=”VERSANTスピーキングテスト”だとして読んでもらえればと思います。
VERSANTの特徴
VERSANTの特徴は次の4つです。
- パソコンやスマホ一つでいつでもどこでも受験可能
- スピーキングテストの受験時間はたった20分
- 世界基準の英語力測定テスト
- 最先端のAIを使った言語認識&採点システムを導入
これだけ見ても、他の英語資格と比べると一風かわったテストであることが分かりますよね。
特徴①パソコンやスマホ一つでいつでもどこでも受験可能
VERSANTはパソコンやスマホさえあれば簡単に受験することができます。
しかも、受験時間も制限がなく、24時間365日いつでも受験可能です。
TOEICなどの他のテストと違って、わざわざ試験会場に行く手間もないのが大きな魅力です。
特徴②スピーキングテストの受験時間はたった20分
VERSANTスピーキングテストは20分で終わります。
驚きの採点の速さ
採点もすぐに行われます。だいたい5分後くらいにはテスト結果を知ることができます。
TOEICの結果って出るのが遅いですけど、あれ嫌ですよね(笑)
VERSANTはすぐに結果が分かるのがうれしいですね。
特徴③世界基準の英語力測定テスト
先ほどご紹介した通り、VERSANTはグローバルに事業を展開する大手企業や、世界中の政府機関でもスピーキング力を測るテストとして採用されています。
TOEICでは英語の基礎力を測れますが、”聞いて話す”といったスピーキング力は証明されません。
スピーキング力測定テストとして、グローバル基準の実力を測れるのがVERSANTです。
VERSANTはビジネスで使える英会話力を測れるとあって、自身のスピーキング力の証明にも使うことができそうです。
特徴④最先端のAIを使った言語認識&採点システムを導入
VERSANTは最先端のAIを使った言語認識機能と自動採点システムを取り入れています。
この機能のおかげで、受験者はたった5分ほどで結果を知ることができます。
けど、自動採点システムって、精度とかいいの?
公式ページでは、一貫した採点ができるように、世界的にも信頼性の高い音声認識技術を使っていると書かれています。
実際、人による採点とAIでの採点がほぼ一致した結果になっているみたいです。
ご参考
ちなみに、VERSANTで使われている自動採点の技術は、アメリカの国土安全保障省や国際民間航空機関のテストでも使われている技術みたいです。
これらの情報からも、VERSANTの自動採点の精度はかなり高いレベルだと推測できますね。
※自動採点システムの詳しい情報>VERSANT公式サイト Q&Aページ
VERSANTで測れる能力とは
VERSANTスピーキングテストでは、次の4つのスキルが数値化されます。
- 発音
- 流暢さ
- 語彙
- 文章構成
この4つの得点を元に総合得点が算出されるしくみになっています。
採点項目一覧 | 内容 |
発音 | 文脈においてネイティブ同様に子音や母音を発音し、ストレス(音の強弱)を正しく置くことができているかを判定する。 |
流暢さ | 文を構築したり、読み上げたり、復唱するなかでみられるリズム、語句の切れ目、テンポの良さなどを判定する。 |
語彙 | 日常的かつ一般的な単語を理解し自在に表現できているか、また日常的な単語の形式・意味の理解と、それらの用法の熟達度によりスコアを判定する。 |
文章構成 | 文章構成は文単位の発話の中で語句や節を理解・把握・使用できる能力のことで、正確な構文処理と適切な単語・フレーズの使用の熟達度によりスコアを判定する。 |
VERSANTのテスト内容
VERSANTのスピーキングテストは全6パートに分かれています。
✓ VERSANTスピーキングテスト 試験内容
- 【パートA】音読|Reading/全8問
- 【パートB】復唱|Repeat/全16問
- 【パートC】質問|Questions/全24問
- 【パートD】文の構築|Sentence Builds/全10問
- 【パートE】話の要約|Story Retellings/全3問
- 【パートF】自由回答|Open Questions/全2問
各パートごとの特徴を簡単にみていきましょう。
【パートA】音読|Reading/全8問
パートAの「音読」パートでは、画面に出てくる文章を指示された順序で読み上げます。
ここでは4つのスキルのうち「流暢さ」と「発音」が測定されます。
ポイント
このとおり、VERSANTでは各パートごとで採点される項目が若干かわります。
1問10秒ほどで読み上げてください。全8問です。
補足
1問10秒と聞くと短く感じるかもですが、読みあげるのは一文だけなので時間は十分にあります。長い文章を一気に読み上げることはないです。
【パートB】復唱|Repeat/全16問
パートBの「復唱」パートでは、聞こえてくる音声を聞こえた通りに復唱します。全部で16問です。
ここでは4つのスキルのうち「発音」「流暢さ」「文章構成」が測定されます。
ポイント
文章は一度しか読まれず、画面にその文章が表示されることもありません。
また、音声が読み終わってから復唱をしなければならないので、シャドーイングのような対策もできません。
問題例①:Shall we go to the park?
問題例②:When it’s cold, I don’t go out.
最初は簡単な文章ですが、後半になるにつれて長く複雑になっていく傾向にあります。
【パートC】質問|Questions/全24問
パートCの「質問」パートでは、英語で質問されたことに英語で回答します。
ここでは4つのスキルのうち「語彙」のみ測定されます。
基本的には2択の質問をされるので、問題文の選択肢にあわせてシンプルに1語で答えます。
質問例:Are apples and oranges vegetables or fruits?
回答例:fruits.
ただ、数問だけ2択以外の問題もでます。
質問例:What season comes before summer?
回答例:spring.
このパートでは、変に文章を作らずシンプルに単語で回答するのがポイントです。
【パートD】文の構築|Sentence Builds/全10問
パートDの「文の構築」パートでは、3つのカタマリでバラバラに読まれる文章を、正しい順序になおして読み上げます。
??って感じですよね。例をあげます。
問題例:to the museum / on this weekend / he will go
回答例:he will go to the museum on this weekend.
ここでは4つのスキルのうち「流暢さ」と「文章構成」が測定されます。
文章を文型通りに瞬時に並べる能力が必要になるパートです。
【パートE】話の要約|Story Retellings/全3問
パートEの「話の要約」パートでは、30秒程度のショートストーリーを聞いて、それを30秒ほどで要約します。
ここでは「発音」「流暢さ」「語彙」「文章構成」の全てのスキルが測定されます。まさに応用パートですね。
注意ポイント
”話の要約”と言っていますが、実際は聞いた話を再現する能力が求められています。
指示文は次の通り。
「Try to retell as much of the story as you can including the situation, characters, actions and ending.」
読まれた文章の状況や特徴、行動や結末を含むように、ストーリーの全容を再び話してください。
「summarize(サマライズ)」ではなく「retell(リテル)」なので、いかに文章を再現できるかがポイントになるパートです。
【パートF】自由回答|Open Questions/全2問
最後のパートであるパートFの「自由回答」では、プライベートのことや社会問題について、個人的な意見を英語で表現するパートです。
ご参考
このパートは、2021年10月現在では自動採点の対象外になっています。
いくら自動採点システムでも、完全なフリートークを採点化することは難しく、このパートだけ採点対象外になっているんだと思っています。
ここは気楽に受けてOKです。急に採点化されるかもしれないですけど、その時はその時で勉強しましょう。笑
VERSANTスコアの目安
VERSANTスコアの目安は次の表のとおりです。
VERSANT 総合スコア |
CEFR | 評価 | レベル感 |
79-80点 | C2 | 微妙な意味合いでも正確かつ自然に伝達できる。 | 自由に自然な口調で自分の考えを詳細に説明できるレベルにあたります。 |
69-78点 | C1 | 流暢で自由な表現を、適切な構文を使って明確に話すことができる。 | 流暢で自由に、ほとんど無意識に自分の考えを説明できるレベルにあたります。 |
58-68点 | B2 | 大きな負担を感じさせず、情報や視点を正確に述べることができる。 | 一定のテンポで一定量はなすことができ、誤解を生むような間違いもないが、時々「抜け」が起こるレベルにあたります。 |
47-57点 | B1 | 身近な事柄において伝えたいことの要点を包括的に述べることができる。 | 構文や語彙の修正のために途切れることがあるが、おおむね包括的に話し続けることができるレベルにあたります。 |
36-46点 | A2 | 仕事や家族など、基本的な情報について述べることができる。 | 途中で途切れることや言い直しが多々あるが、非常に短い文章であれば自分の考えを述べることができるレベルにあたります。 |
20-35点 | A1 | 個人的なことや、よく知られたテーマについて簡単に述べることができる。 | 短く断片的な表現や、よく使う表現のみできるレベルにあたります。 |
これだけだといまいちピンとこないと思うので、TOEICや英検など日本人が馴染みの深い資格と比較してみました。
✓ VERSANTと他の英語資格のスコア関係
VERSANT 総合スコア |
CEFR | TOEIC | 英検 |
79-80 | C2 | ― | ― |
69-78 | C1 | 945点~990点 | 英検1級 |
58-68 | B2 | 785点~940点 | 英検1級~準1級 |
47-57 | B1 | 550点~780点 | 英検準1級~2級 |
36-46 | A2 | 225点~545点 | 英検2級~準2級 |
20-35 | A1 | 10点~220点 | 英検3級~5級 |
参考:文部科学省データ
ただ、日本人はスピーキング力が弱いので、自身のTOEICや英検のスコアよりVERSANTの点数は低くなる傾向にあります。
ポイント
VERSANTのスコアに関しては「VERSANTのスコア目安を徹底解説【日本人の平均スコアは38点です】」で詳しくまとめているので、気になる方はこちらもチェックしてみてください。
VERSANTを受けるメリットとは|キャリアに繋がるのか
VERSANTを受験するメリットは次の2つです。
- 自身のスピーキング力を測ることができる
- 就職や転職時などで英語力をアピールできる可能性がある
TOEICでは測れない能力を知ることができるのが魅力です。順番にみていきましょう。
自身のスピーキング力を測ることができる
VERSANTの何よりも魅力的なポイントは、純粋な英語のスピーキング力を測定できるテストであることです。
TOEICも英検もIELTSも一応スピーキングのテストはありますが、スピーキング力だけを測るテストではありません。
一方、VERSANTは完全にスピーキング(とリスニング)の能力を測ることに特化したテストになっています。
僕自身も自分のスピーキング力を数値的に測りたいと思うようになり、VERSANTを受験するようになりました。
英語学習の中でも、英会話に力を入れている人には自信を持っておすすめできるテストです。
就職や転職時などで英語力をアピールできる可能性がある
VERSANTで高得点が取れれば、就職時や転職時にスピーキング力をアピールすることができるでしょう。
注意ポイント
ただ、TOEICに比べると正直まだ認知度が低いです。日系企業の就職においてはVERSANTよりTOEICのスコアの方が重要視されるでしょう。
とはいえ、VERSANTの点数を基準に、採用活動や海外駐在者を決めている大手企業も増えてきています。
✓ 採用や異動にVERSANTのスコアを取り入れている企業
- 三井住友銀行
- JT(日本たばこ産業)
- ダイキン
- SMBC日興証券、等
このことからも、実践的な英語能力を測ることができるVERSANTは、今後より知名度を上げていく可能性があるといえます。
英語のスピーキング力をアピールしてキャリアアップしていきたいと考える方にとって、VERSANTは絶対に受けておいた方がいい資格の一つと言えるでしょう。
VERSANTの受験方法
VERSANTの受験申し込み方法
VERSANTを個人で申し込む場合は、VERSANT公式サイトから「個人で受験をご希望の方」をクリックし申し込みします。
一点気を付けたいのが、申し込みをした時点で即テストを受験できるわけではない点です。
VERSANTは受験番号をもらって受験しますが、受験番号が届くまでに数営業日かかります。
早ければ翌日くらいにメールでお知らせがくるのですが、若干のタイムラグがあることは覚えておきましょう。
VERSANTの受験方法
VERSANTスピーキングテストはパソコンかスマホを使って試験を受けます。
それぞれの受験方法は次のとおりです。
✓ スマホでVERSANTを受験する場合
- ステップ1:スマホアプリ「Versant」をダウンロード
- ステップ2:「Do you have a Test Identification Number?」の問いに対し「Yes」を選択
- ステップ3:「Start Test」を選択
- ステップ4:「受験ナンバー(TINナンバー)」を入力し受験開始
✓ パソコンでVERSANTを受験する場合
- ステップ1:受験用URLページを開く(https://ptpprod.pearsontestservices.com/take_test)
- ステップ2:「受験ナンバー(TINナンバー)」を入力し受験開始
ここは好みの問題なので、好きな方を選んで受験しましょう。
VERSANTの受験料金
VERSANTの受験料は1回5,500円(税込)です。※2021年10月現在
何回もすぐに受けられるほど安い料金ではないので、TOEICのようにしっかり勉強⇒受験をおすすめします。
ポイント
たまに1回の料金で2回テストが受けられるキャンペーンをやってます。他の英会話スクールの無料体験を受けることで受験料がタダになるキャンペーンなんかもあったりします。
このあたりは時期になればこの記事でもご紹介しますが、みなさんでも受験される際はこうしたキャンペーンがないかぜひチェックしてみてください。
VERSANTの受験に向けて用意すべきもの
特別なものを用意する必要はないです。次の3つがあれば十分でしょう。
✓ VERSANTの受験前に用意すべきもの
- スマホ or パソコン
- 受験番号
- ヘッドホン(パソコンの場合)
ヘッドホンはマストではないですが、パソコンで受験される場合はあったほうがいいかなと思います。
VERSANTを受験するにあたっての注意点とは
VERSANTスピーキングテストを受けるときは、次の4つを気を付けましょう。
- テスト環境は万全か
- インターネット環境は良いか
- テスト中のメモや録音はNG
- テストの中断はNG
他の人の音を拾わないように、できるだけ静かな環境でテストを受けるようにしましょう。
また、レッスンの中断や受け直しもできないので、インターネットの環境も問題ないか事前に確認しておきましょう。
まとめ:自分のスピーキング能力を測りたい人にはVERSANTがおすすめ!
今回は英語のスピーキングテストとして注目度が増しているVERSANTについて、その特徴や試験内容をご紹介しました。
この記事を読んで、少しでもVERSANTの魅力やテストのイメージが伝わっていればうれしいです。
✓ VERSANTを受験する2つのメリット
- 自身のスピーキング力を測ることができる
- 就職や転職時などで英語力をアピールできる可能性がある
資格としてはまだまだTOEICより認知度が低いVERSANTですが、今後は需要がどんどん増してくると予想しています。
TOEIC高得点=英語が話せる、ではないですからね(笑)
ここに気づいた企業は、どんどんVERSANTを採用基準に取り入れるでしょう。
今がチャンス
今のうちにしっかり勉強して、VERSANTで高得点をとっておくと、将来に活きる可能性は大ありです。
別にキャリアとか関係なく、単に自分のスピーキング力が測れるテストでもあるので、気になった方は気楽に一度VERSANTにチャレンジしてみてください。
本記事の内容は以上です。
このブログでは、「留学未経験」の「社会人」が「国内」で英語が話せるようになるための実践法について記事を書いています。
本気で英語を話せるようになりたければ、「オンライン英会話」と「英会話カフェ」をうまく組み合わせましょう。
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この記事が英語を話せるようになりたいと思っている人の挑戦の後押しになればうれしいです。
今回は以上です。