リンキングってそもそもなに?どんな時に起こるの?
自分の発音が流暢に聞こえない。。リンキングをマスターする方法を知りたいな。
こんなお悩みを解決していきます。
本記事でわかること
- リンキングとは?
- リンキングの3つのルールについて
- リンキングを学ぶ2つのメリット
- リンキングの学習方法について
英語学習をしているみなさん、こんな経験ありませんか?
「さっきの英語、さっぱり聞き取れなかったのに、文章を見てみると中学生でもわかるような簡単な英語しか使われていなかった。。」
そもそも日本語と英語では音の変化のルールが全然違います。このルールをしっかり理解しないと、何百回ネイティブの英語を聞いても何を言っているのかわかるようになりません。
音声変化にはいくつかの種類がありますが、その中でも特に頻繁に起こるのが「リンキング」です。
そこで今回は、英語の音声変化のルールの一つであるリンキングについて分かりやすく解説します。
この記事を読んだ後に英語の音声を聞いてみると、リスニング力をワンステップ上げる方法が身につくので、ぜひ参考にしてみてください。
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リスニング力をワンランクあげるためには、こうした「リエゾン」と呼ばれる音声変化のしくみを学ぶのが手っ取り早いです。詳しく知りたい方は「英語の”リエゾン”とは|音声変化の3つのルールとリスニング力アップ法をご紹介」をご覧ください。
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目次
英語のリンキングとは?
リンキングとは、英語が文になった時に”単語と単語の音がつながること”をいいます。
たとえば、次のようなパターンです。
- Stand up(スタンダップ)
- Do it(ドゥーウィッ)
- Get there(ゲッデアー)
一語ずつ区切って読むと”ゲット・デアー”、”スタンド・アップ”、”ドゥー・イット”ですが、リンキングのルールによってそれぞれの単語の音が繋がります。
それでは、リンキングがどのような場面で起こるのか、パターン別にそれぞれ見ていきましょう。
英語の連結(リンキング)の3つのルールについて
リンキングには3つのルールがあります。
- ルール①「子音」+「母音」
- ルール②「母音」+「母音」
- ルール③「子音」+「子音」
各ルールの説明の前に、念のため”子音”と”母音”のおさらいです。
「子音」と「母音」について
母音は”A・E・I・O・U”の5つ、子音は母音以外の音のことをいいます。
- 「母音」:A・E・I・O・U
- 「子音」:母音以外の全て
それでは、リンキングの各ルールを見ていきましょう。
リンキングのルール①「子音」+「母音」
さっき例にあげた「Stand up」がまさにこのルールに当てはまります。
最初の単語のおわりが「d(子音)」と、その次の単語の「u(母音)」がつながり、全体として「スタン”ダ”ップ」というような音に変化します。
ポイント
「子音」+「母音」のリンキングでは、音がつながって一つの音になる
ちなみに、日本語は基本的に「母音」で終わる言語なので、このリンキングが起こりません。
日本語を強引にローマ字にすると、例えば「携帯を買った ⇒ Keitai wo katta」となります。全て母音で終わる発音になることが分かります。
そのため、日本人にはなかなか聞き取りずらい音として認識されています。
「子音」+「母音」の一例
- k+母音:make up(発音イメージ:メイカップ)
- t+母音:eat out(発音イメージ:イータウトゥッ)
- v+母音:give up(発音イメージ:ギバップ)
- s+母音:pass away(発音イメージ:パサウェイ)
- m+母音:sum up(発音イメージ:サマップ)
- r+母音:tear up(発音イメージ:ティア―ラップ)
リンキングのルール②「母音」+「母音」
さっき例にあげた「Do it」がこのルールに当てはまります。
「母音」+「母音」では、音を繋ぎやすくするために半母音と呼ばれる「w」か「j」が入ります。
- 母音の発音が”A,E,I"のように、口を開いている時は「y」
- 母音の発音が”O,U”のように、口を丸める形の時は「w」
「Do it」を例にすると、間に「w」が入り、「ドゥー”ウィ”ッ」というような音に変化します。
ポイント
「母音」+「母音」のリンキングでは、音の間に「y」か「w」が入り音がつながる。
繋がる母音同士の関係に応じて「y」か「w」を入れて読むことで、音が繋がりナチュラルに聞こえるようになります。
「母音」+「母音」の一例
- yを入れる例①:High up(発音イメージ:ハイヤップ)
- yを入れる例②:Boy and girl(発音イメージ:ボーイヤンガール)
- wを入れる例①:Do it(発音イメージ:ドゥーウィッ)
- wを入れる例②:Go ahead(発音イメージ:ゴーワヘッ)
リンキングのルール③「子音」+「子音」
さっき例にあげた「Get there」がこのルールに当てはまります。
「子音」+「子音」でリンキングするときは、以下のパターンです。
- パターン①単語と単語のつなぎ目が同じ音の時
- パターン②単語と単語のつなぎ目の発音の口のかたちが似ている時
「Get there」の場合はパターン②で、Getの”t"とthereの”th”の音と口のかたちが似ているので、両方がくっついて「ゲッデアー」というような音に変化します。
ポイント
「子音」+「子音」のリンキングでは、前後の音が共有され一つの音になる。
それぞれのパターンの例をいくつかご紹介します。
「子音」+「子音」の一例
- パターン①:with them(発音イメージ:ウィッデム)
- パターン①:what time(発音イメージ:ファッタイム)
- パターン②:need to(発音イメージ:ニートゥー)
- パターン②:look great(発音イメージ:ルッグレイッ)
英語のリンキングを学ぶメリットについて
リンキングを学習すると何ができるようになるの?
リンキングをマスターするメリットはこの二つです。
- メリット①:ネイティブの英語が聞き取れるようになる
- メリット②:ネイティブの英語っぽく発音できるようになる
ネイティブの英語が聞き取れるようになる
このリンキング部分を聞き取れるように訓練すると、一気に英語がクリアに聞けるようになります。
例えば、今手元にある英語の一文を抜粋してみます。
Take it easy. Everything will be fine.(大丈夫、全部うまく行くよ)
この文だけでも”Take”と”it"がリンキングしますし、”it”と"easy"もリンキングします。
さらにリンキングすると音も変わるので、繋げると”テイキッティージー”という感じに聞こえます。
この音の変化を捉えられるようになることで、英語のリスニング力が上がります。
ネイティブの英語っぽく発音できるようになる
ネイティブや、ネイティブのように流暢に英語を話す人は、単語ごとに区切って発音をしません。
もう一文、例文をあげてみますね。
Don't worry, I get it.(大丈夫、分かってるよ)
この文も、発音する時は”get"と"it"を繋げて”ゲッディッ”という感じになります。
※ここでは”フラッピング”の要素もあり、tの音がdに近い音に変化します。詳しくは次回の記事でご紹介します。
英会話や音読など、自分で英語を発音するときは、リンキングを意識しながら発音してみるとよりネイティブの英語っぽさを出せるようになっていきます。
英語のリスニング力を強化するリンキングの学習方法
効果は分かったけど、具体的な学習方法がわかんないわ。。
これまでご紹介したリンキングのパターンを学習した上で、次の二つのことを試していきましょう。シンプルです。
- スクリプト付き音声でシャドーイング
- 音声付きの文章を音読
スクリプト付き音声でシャドーイング
まずは、スクリプト(読まれる音声が文字になっているもの)がある音源を用意しましょう。
ポイント
スクリプトがないと、結局自分の聞こえた音が正しかったのか、何も確認できません。スクリプトはリスニング学習には必要不可欠ですね。
リンキングをマスターするためには、音声をシャドーイングしていく必要があります。
※シャドーイング:音声に合わせて聞こえてくる英語をスクリプトを見ずにリピートすること。
このシャドーイングを行うことで、自分が聞き取れていない箇所を見つけることができます。
何回も聞いてみて、それでも聞き取れない場合はスクリプトを見て、何て言っていたのかを確認します。
僕自身も英語を本格的に学び始めた時は、リンキングによって音が変わっている部分のリスニングが特に苦手でした。。
これを続けることで、前まで聞こえなかった音が徐々に識別できるようになってきます。
色々な英文を聞いて、どの部分がリンキングになっているかを毎回意識することで、徐々に自分なりに聞き取る法則を見つけられるようになります。
音声付きの文章を音読
音読をする時はリンキングとなる部分をチェックし、ゆっくりでもいいのでリンキングを意識しながら発音します。
自分の音声を録音して聞いてみるのもいいですね!
音声付きの文章は、その音声を確認することで実際の発音がどうか確かめることができます。
また、音声を録音していれば、自分の発音と音源でどこが違うのか、どこで違和感を感じるかを確認することもできます。
ポイント
音読(録音)⇒ リスニング ⇒ 比較がおすすめです。
リンキングの学習方法のコツ
”シャドーイング”×”音読”という王道のリスニング学習方法ですが、より効果を発揮するために二つの学習のコツをご紹介します。
- 話者の話し方をマネ(再現)する
- 音声を録音して自分の発音を分析する
話者の話し方をマネ(再現)する
スピーカーと同じような発音ができるように、何回も繰り返し音声を聞いてリンキングに慣れましょう。
ポイント
一回その音を聞いたらすぐに次に行く人がいますが、リスニングの学習は同じ音を何回も聞く方が効果的です。スピーカーのモノマネができるくらい、間の取り方から話し方まで再現できるようになると完璧です。(笑)
何回も同じ音声聞くって飽きそう。。
連続で同じ音声を何回を聞かなくてもいいです。飽きたら次の音声にいきましょう。
ただし、何回も戻ってきて、最終的にはモノマネレベルで発音できるようになると、リスニング力もかなりあがります。
僕は10個くらいのYoutubeのスクリプト付きコンテンツを用意して、それをグルグル回しながらシャドーイングを繰り返しています。
個人的には映像もあると飽きないので、Youtubeのスクリプト付きコンテンツを愛用しています。
音声を録音して自分の発音を分析する
自分の英語を録音した音声は宝です。
おそらく、英会話初心者で自分の想像通りに発音できていることなんてまずないでしょう。
自分が意識したリンキングの部分と、実際の音声を比較して、どこが変に聞こえるのか、どこがナチュラルに聞こえないのかを分析して改善していく、これが発音上達の一番の近道です。
英会話学習の中でも、個人的には自分の音声録音と振り返りが一番の学習方法だと思ってます。マジでおすすめ!
ポイント
ただし、音声から自分の音を正していくのもいいですが、発音を一回勉強してみるのも手です。発音記号とかもそれほど多くないので、それを覚えてから録音&振り返りをした方が効果百倍です。
ぜひスマホのボイスメモなどを有効活用した学習を試してみてください。
英語のリンキング学習に有効なコンテンツ4選
最後に、自分がリンキング学習(というかリスニング全般の学習)で利用しているコンテンツを4つ紹介します。
- TOEIC問題集
- TED Talks
- Youtube動画 ※スクリプト付き
- Netflix
①TOEIC問題集
おすすめは公式問題集ですが、公式でなくてもリスニングパートの音声が聞ける問題集であれば問題ありません。
ネイティブの日常会話と比べると、TOEICの会話はくだけすぎてないですしそこまで音声も早くないので、最初のうちのリスニング学習にはおすすめです。
②TED Talks
”TED”とは、様々な分野の専門家による講談会を主催している団体で、”TED Talk"ではそんな彼らの講演をインターネットで視聴することができます。
”TED Talks”は公式ホームページ、公式Youtubeチャンネル、公式アプリにて無料で視聴することができます。
英語学習者にとってはおなじみの人気コンテンツですね。
その道のスペシャリストの講演なだけに、内容自体もとても面白いです。
③Youtube動画 ※スクリプト付き
TED Talksよりももっと自由に自分の好きなコンテンツを探せるのは、やっぱり”Youtube”です。
ほとんどの海外コンテンツで英語の字幕をつけることもできるので、ほんとに自分が好きなジャンルで動画を楽しんで、英語の学習まですることができます。
僕は海外テニスが好きなので、よくインタビュー動画などを見て英語学習も一緒にしています。
注意ポイント
Youtubeでは元々字幕が入ってない動画でも英語字幕の自動生成ができます。これも精度は悪くはないですが、より正確なスクリプトで確認したいという方は、字幕がついている動画を探すことをおすすめします。
④Netflix動画
もしNetflixに加入している人がいたらラッキー、Netflixはほぼ全ての海外コンテンツに字幕がついています。
日本語字幕も英語字幕もつけることができますし、なんなら二つを同時に表示させることもできます。
「Language Learning with Netflix(LLN)」というChrome拡張機能を使うことで実現できます。無料です。詳しくは「【超便利】LLNの使い方【無料で使えます】」をご覧ください。
Youtubeは全ての動画がスクリプト付きではないことを考えると、すでに入会している方にとってはNetflixが最強のリスニング学習コンテンツかもしれません。
まとめ:リスニング学習を通して、リンキングをマスターしよう!
本日はリンキングのルールと、効果的な学習方法についてご紹介しました。
まずはリンキングのルールを覚えて自分で気づけるようになるところがファーストステップなので、あらためてそのルールをおさらいしておきましょう。
- 「子音」+「母音」のリンキングでは、音がつながって一つの音になる
- 「母音」+「母音」のリンキングでは、音の間に「y」か「w」が入り音がつながる。
- 「子音」+「子音」のリンキングでは、前後の音が共有され一つの音になる。
正直、リスニング力は2,3日で簡単に上がるというものではありません。
でも、こうした英語特有の音の変化のルールを知っておくだけで、知らないよりも早く英語を聞き取れるようになります。
まずはこのリンキングのルールをおさえて、シャドーイングや音読を通して音に慣れていきましょう。
リスニング学習に効果を爆発させる2つの方法
- 話者の話し方をマネ(再現)する
- 音声を録音して自分の発音を分析する
ぜひこの記事の内容を参考に、リスニング力アップのための学習に取り組んでみてください。
本記事の内容は以上となります。
このブログでは、「留学未経験」の「社会人」が「国内」で英語が話せるようになるための実践法について記事を書いています。
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この記事が英語を話せるようになりたいと思っている人の挑戦の後押しになればうれしいです。
今回は以上です。