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英語の”リエゾン”とは|音声変化の3つのルールとリスニング力アップ法をご紹介

2021年8月18日

英語のリエゾンってたまに聞くけど、どんな内容でどんなルールがあるのか詳しく知りたいな。

英語のリスニングが苦手。文字で見ると知っている言葉もあるんだけど、なんでうまく聞き取れないんだろう?


こんなお悩みを解する記事になっています!

この記事を読んでわかること

  • 英語のリエゾンとは
  • 英語のリエゾンにあたる3つの音声変化
  • 3つの音声変化のそれぞれの特徴について
  • 音声変化を意識したリスニング学習法


みなさんは英語を聞いたとき、「意外と簡単なフレーズだけど音になる聞こえない。。」と思った経験はありませんか?


音が聞こえないその原因、それはおそらく今回ご紹介する「リエゾン」にあります。
 

僕自身、このリエゾンについて学んだことで、TOEICのリスニングも9割以上(450点)を取ることができました。

この記事では「リエゾン」とはというところから、音声変化のルールである「リンキング」「リダクション」「フラッピング」についてご紹介します。


「なぜ英語が聞こえないのか」だけでなく、どう学習に繋げていけばいいのかまでご紹介しているので、リスニング力をワンランクアップさせたいと考えている方はぜひチェックしみてください。 

 
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英語のリエゾンとは

そもそも「リエゾン」とは、「音の連結によって本来の音が変わること」を言います。


例えば、アナと雪の女王で有名になった「Let it go」、これを一つずつカタカナ読みすると「レットイットゴー」になりますよね。


ただ、実際はリエゾンの法則によって「レリゴー」のように発音されます。
  

みなさんも、「レリゴー」で口ずさんでましたよね?


これが「リエゾン」の法則であり、このルールを理解することで、ネイティブの英語がなんで聞き取れないのかの原因が分かるようになります
  

リエゾンは英語のルールではない?


リエゾン(Liaison)は元々は英語ではなく、フランス語における音声変化のことを指してました。


フランス語では、通常は発音されない音が、次に続く単語によって発音されるというルールがあるみたいで、これをリエゾンと呼んでいます。
  

補足

ただ、英語の発音でも似たような連結があるので、今では英語でも同様にリエゾンという言葉を使うようになりました。

 

リエゾンとリンキングの違い


リエゾンは日本語ではよく”連結”と訳されます。
  

似たような言葉でリンキングってあるよね?これも日本語の意味的には”連結”だと思うんだけど、何が違うの?


ここは、正確な区分けがありません。リエゾン=リンキングと考えている人もいます。


一方で、リエゾンは音声変化の総称であり、その音声変化の一つとしてリンキングがあると考えている人もいます。
 

確認ポイント

この記事では、リエゾンを「英語の音声変化の総称」とし、リエゾンの中の一つのルールとしてリンキングがある、という考えのもと記事を書いています。

 

英語のリエゾンの種類


リエゾンの中には、3つの決まったルールがあります。

  • リンキング(Linking:連結)
  • リダクション(Reduction:脱落、弱化、同化)
  • フラッピング(Flapping:はじき音)

※これら英語の音声変化の総称⇒リエゾン(Liaison)


こちらは次の章で詳しくご紹介します。
  

英語のリエゾンについて学ぶメリット


英語のリエゾンについて学ぶメリットは大きく二つあります。

  • ネイティブの英語が聞き取れるようになる
  • 英語の発音がより滑らかになる

 

ネイティブの英語が聞き取れるようになる

リエゾンによる音声変化のルールを知ることで、ネイティブの音がなぜ聞こえなかったかを分析できるようになります。


例えば、さきほど「Let it go」も「レリゴー」に変わると説明しました。


この言葉ですが、じつは「リンキング」「リダクション」「フラッピング」の全ての音声変化が起こっています。


このルールを覚えて正しくリスニング学習を行うことで、ネイティブの英語の聞き取りができるようになってきます。
 

英語の発音がより滑らかになる


リエゾンをマスターすることで、リスニングだけでなくスピーキングにもいい影響が出ます。
  

ポイント

このリエゾンのルールに従い発音することで、英語を一つ一つの単語で話さなくなるので、今よりも滑らかに聞こえるようになるはずです。


きちんとした知識がなければ、どんな時に音声変化が起きるのかもよくわかりませんよね。


逆にいうと、正しい知識を身につければ、自分で音読してる時も音声変化を意識できます。
 

リエゾンを意識して発声することで、自分の発音もカタコト状態から抜け出すことができました。

 

英語のリエゾンにあてはまる3つの音声変化について

さきほどご紹介した通り、リエゾンには次の3つのルールがあります。

  • リンキング(Linking:連結・同化)
  • リダクション(Reduction:脱落・弱化)
  • フラッピング(Flapping:はじき音)

 

①リンキング(連結・同化)について

リンキングとは、英語が文になった時に単語と単語の音がつながることをいいます。

 

たとえば、次のようなフレーズはリンキングが起こります。

  • Clean up(発音イメージ:クリーナップ)
  • Go on(発音イメージ:ゴーウォン)
  • Did you(発音イメージ:ディジュ)

 

個別にカタカナ的に読めば「クリーンアップ」「ゴーオン」「ディドゥユー」になりますよね。

 

リンキングが起こると、それぞれ発音イメージのよう発音に変わります。

 

②リダクション(脱落・弱化)について

 

リダクションとは、本来スペル的には発音されるべき音が、発音されなくなったりきわめて弱く発音されることを言います。

 

たとえば、次のようなフレーズはリダクションが起こります。

  • What time(発音イメージ:ファッタイム)
  • Would have(発音イメージ:ウダヴ)
  • tell him(発音イメージ:テリム)

※これらの言葉を「ファットタイム」「ウドゥハブ」「テルヒム」と言ってもまったく問題はないです。
 

ポイント

リダクションはあくまでネイティブが発音しやすくする過程で自然に生まれたルールです。発音をしたら間違い、なんてことはないです。

 

③フラッピング(はじき音)について

 

フラッピング(はじき音)とは、次の2つの条件を満たした時に、英語の”t”の発音が変わることをいいます。

  • ”t”が母音に挟まれている時
  • ”t”の前にアクセントが置かれている時


例えば、「water」は”t”が”a”と”e”に挟まれており、アクセントも"a"に来るので、「ワラ―」や「ワダ―」のように読まれるようになります。

このように、ある条件がそろった時に”t”の音が”d”と”r”の間のような音に変化することをフラッピングと言います。 

注意ポイント

イギリス英語ではフラッピングは起こりません。

 

リエゾン①リンキングの3つのルール

リンキングが起こるのは次の3つのパターンです。

  • 「子音」+「母音」
  • 「母音」+「母音」
  • 「子音」+「子音」(※)

※「子音」+「子音」は特定の場合のみ

 

補足

「母音」は「A・E・I・O・U」のことを指し、「子音」はそれ以外の全てを指します。

 

ルール①「子音」+「母音」

 

まず、リンキングの王道といえば「子音」+「母音」です。

 

たとえば、先ほど例にあげた「Clean up」がまさにこのルールにあてはまります。

 

cleanの「n(子音)」とupの「u(母音)」がつながり「クリー”ナ”ップ」という発音に変わります。

 

ポイント

「子音」+「母音」のリンキングでは、音がつながって一つの音になる

 

ルール②「母音」+「母音」

 

「母音」+「母音」のときは、音を繋ぎやすくするために半母音と呼ばれる「w」か「j」を入れて発音します。

 

こちらも必ずリンキングが起こるパターンで、先ほどの例だと「Go on」がまさにこれにあたります。

 

どっちを入れるかは、以下のルールで決まっています。

  • 母音の発音が”A,E,I"のように、口を開いている時は「y」
  • 母音の発音が”O,U”のように、口を丸める形の時は「w」

 

今回の「Go on」を例にすると、”o”の音で繋がろうとしているので、間に”w”を入れて「ゴーウォン」のように発音するようになります。

 

ポイント

「母音」+「母音」のリンキングでは、音の間に「y」か「w」が入り音がつながる。

 

ルール③「子音」+「子音」

 

これは子音といいつつ半母音とも言えるのですが、「子音」+「y」の時に音声変化が起こります。

 

ポイント

このように「子音」+「y」で音がくっつくことを「同化」といいます。

 

先であげた例でいうと、「Did you」がこれに当てはまります。

 

この場合、音が完全にくっついて「ディジュ」という形で発音されます。

 

関連記事

リンキングについてより詳しい情報は「リンキングの3つのルール|ネイティブ英語も聞き取れる音声変化の法則をご紹介」にまとめているので、気になる方はこちらもご覧ください。

 

リエゾン②リダクションの5つのルール

リダクションが起こるのは次の5つのパターンです。

  1. 語尾が破裂音の時
  2. 破裂音+子音の時
  3. 代名詞
  4. 機能語
  5. 副詞lyの前がtかdの時

 

4と5は特殊なパターンでもあるので、ここでは1~3のパターンのみご紹介します。

 

関連記事

4と5を含めてリダクションをより詳しく知りたいという方は「リダクションの5つのルール|ネイティブ英語も聞き取れる音声変化の法則をご紹介」をご覧ください。

 

ルール①語尾が破裂音

 

単語の語尾に破裂音(※)が来る場合、その音はあまりはっきりと発音されず、日本語でいう「ッ」のような音になります。

 

補足

(※)破裂音は「P,B,T,D,K,G」 のことを指します。

 

破裂音はこの6つしかないので、この6つが語尾に来た単語はその語尾が省略されやすいと覚えておきましょう。

 

語尾が破裂音となる単語の一例

  • Pの例:top ⇒ トッ(プ)
  • Bの例:job ⇒ ジョッ(ブ)
  • Tの例:fat ⇒ ファッ(ト)
  • Dの例:hand ⇒ ハン(ド)
  • Kの例:thank ⇒ サン(ク)
  • Gの例:walking ⇒ ウォーキン(グ)

 

ルール②破裂音+子音

 

「破裂音」+「子音」の場合、先ほど破裂音は省略されやすいと書いたように、語尾の音が弱くなって発音されることが多いです。

 

破裂音+子音でリダクションが起こる一例

  • top secret(発音のイメージ:トッ(プ)シークレッ)
  • Good bye(発音のイメージ:グッ(ド)バイ)

 

例外は「破裂音+have」の時で、この時は破裂音の方はなくならず、逆にhaveの”h”が抜けることがあります。

 

具体的には「would have」「could have」というときに、このような音声変化が起こります。

  • would have(発音イメージ:ウダヴ)
  • could have(発音イメージ:クダヴ)

 

このように、「破裂音」+「子音」の時にリダクションが起こりやすくなります。

 

ルール③代名詞

 

代名詞も実はリダクションしやすい単語になっています。

 

具体的には、「he」や「they」など”h”と”th”で始まる人称代名詞は脱落しやすい音になります。

  • he/his/her/him
  • they/their/them

 

さきほど例であげた「tell him」もまさにこのルールあたります。

 

この場合、”h”が消えて「tell」の”l”と「him」の「i」がくっつき「テリム」と発音されます。

 

ポイント

これは完全にネイティブ英語のリスニング対策と知っておけばOKです。僕らが発音する時は普通に「テルヒム」で問題ないです。

 

リエゾン③フラッピングのたった2つのルール

フラッピングは次の2つの条件が重なった時に、”t”の音が変化します。

  • ”t”が母音に挟まれている時
  • ”t”の前にアクセントが置かれている時

 

これは文章に限った話ではなく、一単語でも起きたりします。

 

みなさんが聞いたことある例でいうと、「Water」がこれにあたります。

 

ポイント

Waterは"t"が母音に挟まれていますし、アクセントは”Wa”の部分にあるので、2つの条件が満たされ「ワラ―」となります。

 

フラッピングが起こるパターン

 

単語でも文章でも、条件さえそろえばフラッピングが起こります。

  • 一つの単語内で起こるフラッピング:later/betterなど
  • 文章の中で起こるフラッピング:get up/a lot ofなど

 

特に文章の方では、リンキング×フラッピングの掛け合わせが起こります。

 

「get up」を例にとると、まずリンキングで音が繋がり「getup」となったあと、母音に挟まれたtの音が変化し「ゲラップ」のような発音に変わります。

 

フラッピングが起こらないパターン

 

逆に、さっきの2つの条件を満たさない時はこんな時です。この場合はtの発音はそのままです。

 

  • ①”t”が単語の最初にある場合
  • ②”t”が単語の最後にある場合
  • ③”t”の直前が子音である場合
  • ④"t”の音にアクセントがある場合

 

関連記事

こちらは「フラッピングの2つのルール|ネイティブ英語も聞き取れる音声変化の法則をご紹介」でまとめているので、詳しく知りたいという方はこちらをご覧ください。

  

英語のリエゾンによる音声変化をマスターするための学習法【3ステップ】

リエゾンのルールは理解できたけど、具体的にどう学習していけばいいの?

 

リエゾンのルールさえ分かれば、あとはリスニング学習を通して自分が聞き取れない場所がなぜ聞き取れないのかを分析しましょう。

 

次の3ステップでリスニング学習を進めてみてください。

 

step
スクリプト付きのリスニング学習コンテンツを用意する

 

リスニングを学習する上で、教材を選ぶ時は必ず次の2つを意識してみてください。

  • つまらない教材ではないか
  • スクリプトが付いているか

 

世の中には堅苦しくて難しい教材がたくさんあります。

 

おもしろいまではいかなくとも、これは続かなそうだなと思う教材は選ばないようにしましょう。

 

僕は次の4つを使ったリスニング学習をおすすめしています。

  • TOEIC問題集
  • TED Talks
  • Youtube動画 ※スクリプト付き
  • Netflix

 

最初のうちは、自分が聞き取れない言葉が何だったのかを確認できるように、スクリプト付きのコンテンツを選ぶようにしましょう。

 

補足

YouTubeはスクリプトがないものもありますが、英語の字幕を自動で付けられる機能があれば問題なしです。

 

step
選んだトピックでリスニングをし、聞き取れない言葉を確認する

 

自分が選んだトピックで実際に英語を聞き、聞き取れない単語やフレーズをチェックしていきましょう。

 

最初はスクリプトを見ず何回も聞いて、何回聞いても分からないところはスクリプトでチェックするようにしてみてください。

 

ポイント

これを実践すると、たった1分のリスニングでも結構時間がかかります。最初のうちは完璧は目指さず、なんとなく分からないというところを確認していくでOKです。

 

step
なぜ聞き取れなかったのかを分析する

 

この3ステップ目が一番重要です。自分の聞き取れなかった言葉が、なぜ聞き取れなかったのかを分析しましょう。

 

例えば、「Please tell her about ~」の「tell her」が聞こえなくて、その原因が日本語的には「テラー」に聞こえるからだったとします。

 

この場合、リダクションのルールにより「h」が脱落して、「tell+er」のようになるので、日本語的には「テラー」と聞こえたということが分かります。

 

ポイント

リエゾンを学ぶと、なぜ聞こえないのかをより具体的に分析できるようになります。

 

あとは自分が苦手な音声変化を分析し続け、徐々にそのルールを理解していきます。

 

最初のうちは分からない言葉が多くても仕方ありません。それが今のレベルだと自覚し、少しずつレベルアップを目指しましょう。

 

これを2,3カ月コツコツ続けることで徐々に聞こえる英語の幅が広がりました。

 

補足

単語が聞き取れない場合は、「その単語を知らなかったか」か「単語は知っていたが発音を知らなかったか」が原因なので、これはその単語を覚えればOKです。※リエゾンとは関係なし

 

まとめ:リエゾンによる音声変化を理解し、ネイティブ英語を聞き取れるようになろう!

今回は「リエゾン」と呼ばれる英語の音声変化のしくみと、リエゾンをマスターしていくための具体的な学習方法についてご紹介しました。

 

最後に、リエゾンによる音声変化の3つのルールを確認しておきましょう。

  • リンキング(Linking:連結・同化)
  • リダクション(Reduction:脱落・弱化)
  • フラッピング(Flapping:はじき音)

 

学校では教えてくれないこの音声変化のルールを学ぶことで、あなたのリスニング力は確実に上がることでしょう。

 

なぜなら、自分が聞き取れない箇所をチェックしてみると、ほとんどがこの3パターンに当てはまるからです。

 

例えば、リダクションの部分でよく解釈をミスってしまうということが分かれば、リダクションを特に意識しながらリスニング学習をすることで徐々に理解力もあがってきます。

 

この記事や関連記事で書いたルールをしっかり理解し、なぜ聞き取れないかを分析できるようになって、自身のリスニング学習に活かしてみてください。

 

応援の一言

これを続けることで、あなたもネイティブの英語を徐々に聞き取れるようになっていくでしょう。

 

リスニング学習の3ステップ

  • ステップ1:スクリプト付きのリスニング学習コンテンツを用意
  • ステップ2:リスニング ⇒ 聞き取れない箇所を確認
  • ステップ3:なぜ聞き取れないのかを分析、反復学習

 

この記事があなたのリスニング力向上の一助になれていれば嬉しいです。

 

本記事の内容は以上となります。

 

このブログでは、「留学未経験」の「社会人」が「国内」で英語が話せるようになるための実践法について記事を書いています。

  

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今回は以上です。

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