ENGLISH リスニング 英会話の磨き方

フラッピングの2つのルール|ネイティブ英語も聞き取れる音声変化の法則をご紹介

2021年7月11日

 

英語の音声変化で「フラッピング」っていうのがあると聞いたけど、どんな時に起こるんだろう? 

フラッピングをマスターするとリスニング力もあがるし発音もきれいになるって聞いたけど、具体的に何をすればいいんだろう。


こんなお悩みを解決していきます。


この記事を読んでわかること

  • 英語のフラッピングとは
  • フラッピングが発生するたった2つのルール
  • フラッピングをマスターする2つのメリット
  • フラッピングの効果的な学習法3選


今回は英語の音声変化の一つである”フラッピング”についてご紹介します。
 

具体的に言うと、"Water"を「ウォーター」ではなく「ワラ―」と呼ぶ、あれですね。
 

学生の頃、なんでワラ―なの?ウォーターでしょ。って思った記憶があります。


これは、英語の音声変化のルールによって、”t”の音が変わるという明確なルールがあるんです。
 

今回はそんなフラッピングの仕組みと、フラッピングをマスターするための学習方法についてご紹介します。
 

実際、フラッピングをマスターすると自分の英語の発音もネイティブっぽく聞こえるようになりますし、リスニング力もアップするので、ぜひこの記事でフラッピングについて学んでみてください。 

あわせて読みたい

リスニング力をワンランクあげるためには、こうした「リエゾン」と呼ばれる音声変化のしくみを学ぶのが手っ取り早いです。詳しく知りたい方は「英語の”リエゾン”とは|音声変化の3つのルールとリスニング力アップ法をご紹介」をご覧ください。

 
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英語の”フラッピング”とは?

 

フラッピングとは、次の2つを満たした時に英語の”t”の発音方法が変わることをいいます。

  • ”t”が母音に挟まれている時
  • ”t”の前にアクセントが置かれている時

 

フラッピングが起こると、”t”の音が”d”と”r”の間のような音に変化します

 

”Water”だと「ワダ―」と「ワラ―」の間のような発音が意識できればOKです。

 

ちなみに、フラッピングの”Flap”は「パタパタ動く」の意味で、舌をパタッとはじいて発音する特徴があることからこのように呼ばれるようになりました。

 

参考

基本的にはフラッピングと呼ばれますが、たまに”フラップT”と呼ばれることもあります。

 

イギリス英語ではフラッピングは存在しない

 

イギリス英語ではフラッピングは起こりません

 

そのため、Waterもイギリスでは「ウォータ」というような発音になります。

 

なので、僕らがウォーターといっても、間違いというわけではありません。

 

ポイント

大事なのは”t”が音声変化しない場合もあるということを知っておくこと。

 

ただ、アメリカ英語だとフラッピングが起こりますし、我々日本人が「この発音はネイティブっぽいなぁ」と感じる部分も、フラッピングが起こっています。

 

英語を聞き取れるようになるためには、フラッピングは押さえておくべきポイントですね。

 

フラッピングが発生する2つの条件

 

先ほどもご紹介した通り、フラッピングは以下の2つの条件を満たすと起こります。

  • ”t”が母音に挟まれている時
  • ”t”の前にアクセントが置かれている時

 

一番はじめに例をあげた「Water」はこの二つの条件を満たしているのでフラッピングが起こります。

 

”t”が母音(a,e,i,o,u)に挟まれているとフラッピングが起こると認識されている方もいるかもしれませんが、例えば”quotation”とかはそのまま”t”の音で発音されます。

 

これは、”ta"の部分にアクセントが置かれているからです。”t”より前にアクセントが来ていないとフラッピングは起こりません。

 

フラッピングの一例

 

それでは、”Water”以外の例を2パターンで見ていきましょう。

  • 一つの単語内で起こるフラッピング
  • 文章の中で起こるフラッピング

 

一つの単語内で起こるフラッピング

 

これは単純に一つの単語内でフラッピングが起きるパターンです。

 

一単語でフラッピングが起きる例一覧

  • later(発音イメージ:レイタ― ⇒ レイラ―)
  • better(発音イメージ:ベター ⇒ ベラー)
  • twitter(発音イメージ:ツイッター ⇒ ツウィラー)

 

"tt”のように”t”が二つ重なっていても、2つの条件を満たしていれば発音が変わります。他には”letter”や”butter”などもありますね。

 

これらは、母音に挟まれているだけではなく、”t”の前にアクセントが来ている単語なので、このような音声変化が起こります。

 

文章の中で起こるフラッピング

 

単語だけなら覚えやすいと思うのですが、フラッピングの厄介なところは文章(単語と単語の繋がり)の部分でも起こるというところです。

 

熟語や文章の中でフラッピングが起きる例一覧

  • get up(発音イメージ:ゲットアップ ⇒ ゲラップ)
  • a lot of(発音イメージ:アロットオブ ⇒ アロロブ)
  • about it(発音イメージ:ツイッター ⇒ アバウリッ)

 

厳密にはまずリンキング(※)という音声変化が起きて、それぞれの音がつながった後にフラッピングが起きています。

 

(※)リンキングも英語の音声変化の一つです。詳しくは「【リスニング力アップ】英語のリンキングとは?3つのルールと学習方法について」をご覧ください。

 

例えば、”get up”はリンキングの音声変化によって「getup(ゲタップ)」となります。こうなると”t”が母音に挟まれることになり、かつアクセントが”ge"の部分にかかっているので、フラッピングが起こります。

 

フラッピングが起こらない4つの例

 

フラッピングする単語や熟語のイメージはつかめたと思いますが、逆にフラッピングが起こらない例も4パターンで見ておきましょう。

  • ①”t”が単語の最初にある場合
  • ②”t”が単語の最後にある場合
  • ③”t”の直前が子音である場合
  • ④"t”の音にアクセントがある場合

 

①”t”が単語の最初にある場合

 

単語のはじめに”t”がくる場合は、当然ですが母音に挟まれるという条件がなくなるので音の変化が起きません。

  • teacher(発音イメージ:ティーチャー)
  • tomorrow(発音イメージ:トゥモロー)
  • take(発音イメージ:テイク)

 

②”t”が単語の最後にある場合

  

単語の最後に”t”がくる場合も同様に音の変化は起きません。

  • wait(発音イメージ:ウェイト)
  • secret(発音イメージ:シークレット)
  • regret(発音イメージ:リグレット)

 

③”t”の直前が子音である場合

 

”t”の直前が子音であっても、母音に挟まれるという条件がなくなるので音声変化が起こらなくなります。

  • after(発音イメージ:アフター)
  • stomach(発音イメージ:スタマック)
  • character(発音イメージ:キャラクター)

 

④"t”の音にアクセントがある場合

 

”t”とその後に続く母音にアクセントが置かれている場合、たとえ”t”の前が母音だったとしてもフラッピングは起きません。

 

  • attention(”te"にアクセントあり)
  • potato("ta"にアクセントあり)
  • quotation("ta"にアクセントあり)

 

"attention"とかもこれまでのルールに従うと一見フラッピングが起こりそうですが、”te"にアクセントがつくのでそのまま”t”の発音をすることになります。

 

英語のフラッピングをマスターする2つのメリット

 

フラッピングをマスターすると次の二つのことができるようになります。

  • メリット①英語の発音がネイティブっぽくなる
  • メリット②フラッピングが起こる音を聞き取れるようになる

 

フラッピングを理解すると、スピーキング力とリスニング力を鍛えることができます!

 

メリット①英語の発音がネイティブっぽくなる

 

自分の英語の発音がよりネイティブっぽく聞こえるようになります

 

例えば、”a lot of ”も「ア・ロット・オブ」というより「アロロブ」と言えた方がネイティブっぽく聞こえますよね?

 

イギリス英語っぽい発音をしたい方を除いて、フラッピングをマスターすることでナチュラルな”t”の発音で会話することができるようになります。

 

メリット②フラッピングが起こる音を聞き取れるようになる

 

フラッピングの箇所を聞き取れるようになると、リスニング力が格段にあがります

 

日本人がリスニングできていない部分っていうのは、次の二つが主な原因です。

  • 単語や表現自体を知らない
  • 音の変化を捉えられていない

 

一点目はボキャブラリーを増やすしかないのですが、二点目は知っている単語なのに聞き取ることができないという、結構深刻な問題です。

 

この時の音声変化のルールが「リンキング」・「リダクション」・「フラッピング」と呼ばれる”リエゾン”にあります。

 

特にこの記事でも紹介した「リンキング」×「フラッピング」の組み合わせが日本人には聞き取りずらい音の代表で、ここを鍛えることでリスニング力アップを目指すことができます。

 

フラッピングの効果的な学習方法3選

 

それでは最後に、フラッピングをマスターするための効果的な学習方法について3つご紹介していきます。

  • 発音の教材で学ぶ
  • ネイティブが使うフラッピングの音をたくさん聞く
  • 自分でフラッピングしてみて通じるか試していく

 

発音の教材で学ぶ

 

リスニング力アップのための学習方法の全体像をつかみたいという方は、いったん教材で学んだ後に実践練習に移すのもいいかもしれません。

 

個人的にはどんどんインプット⇒アウトプットしていく方がおすすめですが、「英語耳 発音ができるとリスニングができる」はリスニングを体系的に学ぶのに役立ったかなと思うので参考までにご紹介しておきます。

 

 

ネイティブが使うフラッピングの音をたくさん聞く

 

ネイティブの音声を聞いて、どういう感じでフラッピングが使われているのか、音の変化はどんな感じなのかをたくさん聞いてみることをおすすめします。

 

”t”の音が変わるのは分かったけど、そもそも”d”と”r”の間の音ってどんな音だよ。。

と思っている方もいると思っています。

 

今では簡単にネイティブの音声を聞けるコンテンツがたくさんあるので、その音声を聞いてどんな音が使われているのか、自分が聞き取れない箇所にフラッピングが使われてないかを確かめていきましょう。

 

ポイント

フラッピングが聞き取れないのであれば、聞こえるようになるまで繰り返し学習をしましょう。

 

使うのにおすすめのコンテンツ例を4つご紹介しておきます。

 

①TOEIC問題集

 

ネイティブの本気の速さというわけでもないので、初~中級者におすすめです。リスニングパートの音声が聞ける問題集であれば公式問題集でなくても問題ありません。

 

 

 

②TED Talks

 

”TED”とは、様々な分野の専門家による講談会を主催している団体で、”TED Talk"ではそんな彼らの講演をインターネットで視聴することができます。

 

”TED Talks”は公式ホームページ、公式Youtubeチャンネル、公式アプリにて無料で視聴することができます。

 

 

英語学習者にとってはおなじみの人気コンテンツですね。

 

その道のスペシャリストの講演なだけに、内容自体もとても面白いです。

 

③Youtube動画 ※スクリプト付き

 

TED Talksよりももっと自由に自分の好きなコンテンツを探せるのは、やっぱり”Youtube”です。

 

ほとんどの海外コンテンツで英語の字幕をつけることもできるので、ほんとに自分が好きなジャンルで動画を楽しんで、英語の学習まですることができます。

 

僕は海外テニスが好きなので、よくインタビュー動画などを見て英語学習も一緒にしています。

 

注意ポイント

Youtubeでは元々字幕が入ってない動画でも英語字幕の自動生成ができます。これも精度は悪くはないですが、より正確なスクリプトで確認したいという方は、字幕がついている動画を探すことをおすすめします。

 

④Netflix動画

 

もしNetflixに加入している人がいたらラッキー、Netflixはほぼ全ての海外コンテンツに字幕がついています

 

日本語字幕も英語字幕もつけることができますし、なんなら二つを同時に表示させることもできます。

 

「Language Learning with Netflix」というChrome拡張機能を使うことで実現できます。無料です。詳しくは「【超便利】LLNの使い方【無料で使えます】」をご覧ください。

 

Youtubeは全ての動画がスクリプト付きではないことを考えると、すでに入会している方にとってはNetflixが最強のリスニング学習コンテンツかもしれません。

 

自分でフラッピングしてみて通じるか試していく

 

だいたいフラッピングのイメージがつかめてきたら、自分で言えるように練習しましょう。

 

自分で発音できるようにさえなれば、聞き取ることもできるようになっていきます。

 

学習方法は以下の3つですかね。

 

①スマホのSiriで正しく聞き取られるか確かめる

 

Siriによる音声認識がいつでもできますし一番手軽ですね。

 

Siriに向かってフラッピングのある単語を読んで、正しく認識されるか試してみましょう。

 

②オンライン英会話で使ってみる

 

実際に会話する相手にも理解してもらえるのか試しましょう。

 

ここで相手が戸惑いなく理解することができれば、フラッピングの発音をマスターできたといっても過言ではありません。

 

まだオンライン英会話をやっていないという方は、以下の記事でおすすめのオンライン英会話をご紹介しています。

 

関連記事:英会話初心者におすすめのオンライン英会話8選

 

③対面での英会話で使ってみる

 

最後はオンラインではなくリアルな英会話の中でもフラッピングを意識した発音で会話してみましょう。

 

オンラインとリアルではまた違った緊張感があるので、こちらが最終チェックとなりますね。

 

対面で英語を話すってどんな方法があるの?と思った方は以下の記事をぜひご覧ください。

 

関連記事:英会話カフェ&バー「Lancul」について【実体験付き】

関連記事:Meetup(ミートアップ)とは?東京で開催されている国際交流会について

 

まとめ:リスニング学習を通して、フラッピングをマスターしよう!

 

今回はフラッピングの仕組みと、フラッピングをマスターするための学習方法についてご紹介しました

 

まずはフラッピングのルールを覚えて自分で気づけるようになるところがファーストステップなので、あらためて2つの発声条件をおさらいしておきましょう。

  • ”t”が母音に挟まれている時
  • ”t”の前にアクセントが置かれている時

 

正直、リスニング力は2,3日で簡単に上がるというものではありません。

 

でも、こうした英語特有の音の変化のルールを知っておくだけで、知らないよりも早く英語を聞き取れるようになります。

 

まずはこのフラッピングのルールをおさえて、英語の音声変化に慣れていきましょう

 

フラッピングをマスターするための効果的な学習方法3選

  • 発音の教材で学ぶ
  • ネイティブが使うフラッピングの音をたくさん聞く
  • 自分でフラッピングしてみて通じるか試していく

 

ぜひこの記事の内容を参考に、リスニング力アップのための学習に取り組んでみてください。

 

本記事の内容は以上となります。

 

このブログでは、「留学未経験」の「社会人」が「国内」で英語が話せるようになるための実践法について記事を書いています。

  

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この記事が英語を話せるようになりたいと思っている人の挑戦の後押しになればうれしいです。

 

今回は以上です。

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