本記事でわかること
- 英語のリダクションとは
- リダクションが起こる5つのルールについて
- リダクションを効果的に学ぶ3つの方法
英語の音声変化で「リダクション」ってたまに聞くけど、音がどんな感じで変化するんだろう?
リダクションをマスターして、ネイティブの英語を聞き取れるようになりたいなぁ。
今回はこんなお悩みを解決すべく、英語の音声変化の一つである”リダクション”についてご紹介します。
簡単な例をあげると、”Good bye” を「グッドバイ」ではなく「グッバイ」と呼ぶように、一部の音がなくなることルールのことをリダクションと言います。
これは、リダクションのルールによって、”d”の音が発音されなくなるという明確なルールがあるんです。
このルールを知って学習することで、僕自身もネイティブの英語の聞き分けができるようになっていきました。
今回は、そんなリダクションの仕組みと、リダクションを聞き取れるようになるための学習方法についてもご紹介していきます。
リダクションが分かれば、リスニング力が伸びるだけでなく自分の発音もよりネイティブに近づくので、ぜひこの記事でその法則について学んでみてください。
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リスニング力をワンランクあげるためには、こうした「リエゾン」と呼ばれる音声変化のしくみを学ぶのが手っ取り早いです。詳しく知りたい方は「英語の”リエゾン”とは|音声変化の3つのルールとリスニング力アップ法をご紹介」をご覧ください。
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目次
英語のリダクションとは?
リダクションとは、本来スペリング上では発音されるべき音がなくなったり、きわめて弱く発音される(あいまい化)現象のことを言います。
言葉だけだと難しく聞こえますが、結構簡単な表現にも使われている法則です。
簡単な例で言うと、"Good job "は「グッドジョブ」ではなく「グッジョブ」、” Sit down ”は「シットダウン」ではなく「シッダウン」といいますよね?
これらは、リダクションの法則によって前の単語の最後の音が消えてしまうのです。
なぜリダクションが起こるのか
より言いやすく発音するためです。
リダクションはどの言語でも起こります。日本語でも起こります。
みなさんは、仲の良い人に”ありがとうございます”という時に、丁寧できれいな発音で言いますか?
”ありがとーございます”という人もいれば”あざす”で済ませてしまう人もいるかと思います。
これがいわゆるリダクションで、ラクに発音できるようにする過程で音が消えたり弱くなったりします。
リダクションが起こる5つのルールについて
リダクションが発生するのは次の5つのパターンです。
- 語尾が破裂音の時
- 破裂音+子音の時
- 代名詞
- 機能語
- 副詞lyの前がtかdの時
ポイント
リダクションはあくまでネイティブが発音しやすくする過程で自然に生まれたルールです。発音をしても間違いというわけではありません。
リダクションのルール①語尾が破裂音
単語の語尾に破裂音(※)が来る場合、その音ははっきりとは発音されず、日本語でいう「ッ」のような音でおわります。
(※)破裂音:P,B,T,D,K,G のこと
例えば、「get」は単語の語尾が破裂音の”t”であるため、「ゲッ(ト)」のようにtの部分が省略されます。
破裂音は6つしかないので、この6つが語尾に来た単語は語尾が省略されやすいと覚えておきましょう。
語尾が破裂音となる単語の一例
- Pの例:top ⇒ トッ(プ)
- Bの例:job ⇒ ジョッ(ブ)
- Tの例:fat ⇒ ファッ(ト)
- Dの例:hand ⇒ ハン(ド)
- Kの例:thank ⇒ サン(ク)
- Gの例:walking ⇒ ウォーキン(グ)
リダクションのルール②破裂音+子音
文章の中でのリダクションですが、前後の単語の音が「子音+子音」であるとき、リダクションが起こりやすくなります。
言葉だけではわかりにくいと思うので、具体的に「子音+子音」でリダクションが発生する2パターンを見ていきましょう。
破裂音+子音
破裂音と子音の組み合わせの場合、破裂音の最後の音が消えます。
破裂音+子音でリダクションが起こる一例
- Job partner(発音のイメージ:ジョッパートナー)
- Good job(発音のイメージ:グッジョブ)
- Sit down(発音のイメージ:シッダウン)
このように、前の単語の最後が破裂音で、次の単語の最初も子音であるとき、最初の破裂音が省略されます。
注意ポイント
破裂音は省略されると言いましたが、「破裂音+母音」の時は例外で、リンキングが起こるため破裂音の音もはっきり発音されます。(以下例)
・look into(発音イメージ:ルッ”キ”ントゥー)
・hand in(発音イメージ:ハン”ディ”ン)
・wrap up(発音イメージ:ウラッ”パ”ップ)
子音(破裂音)+have
こちらは特殊なパターンで、「子音(破裂音)+h」の場合は、”h”の音の方が省略されます。
具体的には「would have」「could have」などのことを指し、haveの”h”の音が省略されます。
- would have(発音イメージ:ウダヴ)
- could have(発音イメージ:クダヴ)
ポイント
他にも”h”が脱落するパターンとして”he"、"him"、"her”などがあげられます。こちらは次の「代名詞」のルールでご紹介します。
リダクションのルール③代名詞
”h”と”th”で始まる人称代名詞は文中では脱落しやすい音になります。
脱落しやすい代名詞
- he/his/her/him
- they/their/them
例えば「Tell him」の時は「テルヒム」ではなく「テリム」のように発音されます。
ここでポイントなのは、”h”の脱落によってhim→imとなり、前のTellと音がくっつき「テリム」のような発音になります。(※リンキングも同時に起こります。)
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参考リンキングの3つのルール|ネイティブ英語も聞き取れる音声変化の法則をご紹介
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”th”の発音も同様で、例えば「get them」の時は「ゲットデム」ではなく「ゲッデム」になります。
この場合もthem→emとなり、前のgetと音がくっつき「ゲッテム」となります。更にフラッピングと呼ばれる”t”の音が変化するルールによって「ゲッデム」となります。
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参考フラッピングの2つのルール|ネイティブ英語も聞き取れる音声変化の法則をご紹介
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リダクションのルール④機能語
機能語もリダクションが起こりやすいです。
機能語とは?
- 機能語:接続詞、前置詞、冠詞、be動詞、など
- 内容語:名詞、一般動詞、形容詞、副詞、など
例えば「It sounds good, but it's so expensive」という文章があった場合、機能語と内容語で分けると以下のようになります。
- 機能語:It/but/it's/so
- 内容語:sounds/good/expensive
ぱっと見でわかる通り、会話で伝えたい内容はほとんど内容語だったりします。
一方、機能語はなくても意味を推測できたりします。そのため、発音についても弱くなったり一部が聞こえなくなったりします。
上の例だと”it"は「イッ」、”but”は「バッ」、"it's so"は「イッソー」のように聞こえたりします。
リダクションのルール⑤副詞lyの前がtかd
これは例をあげましょう。
副詞lyの前がtかdの単語例
- exactly/completely/rapidly、など
それぞれly前のtとdが消えて「エグザクリー」、「コンプリ―リー」、「ラピッリー」のような発音イメージになります。
リダクションをマスターするためのリスニング学習法2選
”シャドーイング”×”音読”という王道のリスニング学習方法ですが、より効果を発揮するために2つの学習のコツをご紹介します。
- 話者の話し方をマネ(再現)する
- 音声を録音して自分の発音を分析する
話者の話し方をマネ(再現)する
スピーカーと同じような発音ができるように、何回も繰り返し音声を聞いてリダクションに慣れましょう。
ポイント
一回その音を聞いたらすぐに次に行く人がいますが、リスニングの学習は同じ音を何回も聞く方が効果的です。スピーカーのモノマネができるくらい、間の取り方から話し方まで再現できるようになると完璧です。(笑)
何回も同じ音声聞くって飽きそう。。
連続で同じ音声を何回を聞かなくてもいいです。飽きたら次の音声にいきましょう。
ただし、何回も戻ってきて、最終的にはモノマネレベルで発音できるようになると、リスニング力もかなりあがります。
僕は10個くらいのYoutubeのスクリプト付きコンテンツを用意して、それをグルグル回しながらシャドーイングを繰り返しています。
個人的には映像もあると飽きないので、Youtubeのスクリプト付きコンテンツを愛用しています。
音声を録音して自分の発音を分析する
自分の英語を録音した音声は宝です。
おそらく、英会話初心者で自分の想像通りに発音できていることなんてまずないでしょう。
自分が意識したリダクションの部分と、実際の音声を比較して、どこが変に聞こえるのか、どこがナチュラルに聞こえないのかを分析して改善していく、これが発音上達の一番の近道です。
英会話学習の中でも、個人的には自分の音声録音と振り返りが一番の学習方法だと思ってます。マジでおすすめ!
ポイント
ただし、音声から自分の音を正していくのもいいですが、発音を一回勉強してみるのも手です。発音記号とかもそれほど多くないので、それを覚えてから録音&振り返りをした方が効果百倍です。
リダクションマスターのための学習コンテンツ4選
最後に、自分がリダクション学習(というかリスニング全般の学習)で利用しているコンテンツを4つ紹介します。
- ①TOEIC問題集
- ②TED Talks
- ③Youtube動画 ※スクリプト付き
- ④Netflix
①TOEIC問題集
おすすめは公式問題集ですが、公式でなくてもリスニングパートの音声が聞ける問題集であれば問題ありません。
ネイティブの日常会話と比べると、TOEICの会話はくだけすぎてないですしそこまで音声も早くないので、最初のうちのリスニング学習にはおすすめです。
②TED Talks
”TED”とは、様々な分野の専門家による講談会を主催している団体で、”TED Talk"ではそんな彼らの講演をインターネットで視聴することができます。
”TED Talks”は公式ホームページ、公式Youtubeチャンネル、公式アプリにて無料で視聴することができます。
英語学習者にとってはおなじみの人気コンテンツですね。
その道のスペシャリストの講演なだけに、内容自体もとても面白いです。
③Youtube動画 ※スクリプト付き
TED Talksよりももっと自由に自分の好きなコンテンツを探せるのは、やっぱり”Youtube”です。
ほとんどの海外コンテンツで英語の字幕をつけることもできるので、ほんとに自分が好きなジャンルで動画を楽しんで、英語の学習まですることができます。
僕は海外テニスが好きなので、よくインタビュー動画などを見て英語学習も一緒にしています。
注意ポイント
Youtubeでは元々字幕が入ってない動画でも英語字幕の自動生成ができます。これも精度は悪くはないですが、より正確なスクリプトで確認したいという方は、字幕がついている動画を探すことをおすすめします。
④Netflix動画
もしNetflixに加入している人がいたらラッキー、Netflixはほぼ全ての海外コンテンツに字幕がついています。
日本語字幕も英語字幕もつけることができますし、なんなら二つを同時に表示させることもできます。
「Language Learning with Netflix(LLN)」というChrome拡張機能を使うことで実現できます。無料です。詳しくは「【超便利】LLNの使い方【無料で使えます】」をご覧ください。
Youtubeは全ての動画がスクリプト付きではないことを考えると、すでに入会している方にとってはNetflixが最強のリスニング学習コンテンツかもしれません。
まとめ:リスニング学習を通して、英語のリダクションをマスターしよう!
本日はリダクションのルールと、効果的な学習方法についてご紹介しました。
まずはリダクションのルールを覚えて自分で気づけるようになるところがファーストステップです。あらためてリダクションが起こりうる場面をおさらいしておきましょう。
- 語尾が破裂音の時
- 破裂音+子音の時
- 副詞lyの前がtかdの時
- 機能語
- 代名詞
正直、リスニング力は2,3日で簡単に上がるというものではありません。
でも、こうした英語特有の音の変化のルールを知っておくだけで、知らないよりも早く英語を聞き取れるようになります。
まずはこのリダクションのルールをおさえて、シャドーイングや音読を通して音に慣れていきましょう。
リスニング学習に効果を爆発させる2つの方法
- 話者の話し方をマネ(再現)する
- 音声を録音して自分の発音を分析する
ぜひこの記事の内容を参考に、リスニング力アップのための学習に取り組んでみてください。
本記事の内容は以上となります。
このブログでは、「留学未経験」の「社会人」が「国内」で英語が話せるようになるための実践法について記事を書いています。
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この記事が英語を話せるようになりたいと思っている人の挑戦の後押しになればうれしいです。
今回は以上です。